春なのに「ナツイロ」

春も中頃になってきたのにまだコタツでぬくぬくしています。

 

読んだ小説の紹介を少し、2012年初版なのでちょい遅れてる感じですが、関口尚の「ナツイロ」を読みました。

 

僕、割と青春ものが好きなんで、帰りのバスの中でぱっと読んでしまえそうな分量の小説を探しており、目についたので買ってみました。

 

どんな話かと簡単に言うと、

 

彼女に振られ傷ついた譲はみかん農家での住み込みバイトを行っていた。そこで出会ったオレンジ髪のシンガーソングライターリンの歌声に惹かれ、一緒に曲を作ろうと誘われる。自分から変わりたいと願った譲はリンと共にアルバム制作を目指すこととなる。いい加減だがまっすぐな彼女に振り回される事になるが、繊細な心に次第に惹かれていく。リンの曲は聞く人々に届くのか、譲は変わることができるのか。続きは小説で。。

 

はい。表現するのも説明するのも難しいですね。

 

これ読んで、すごい共感したっていうか心を抉られた所があって、譲は彼女を寝取られたのですが、大好きだった人を取られたときに怒ることができなかったのです。自分もそうなのですが、好きだった人が選んだなら仕方ないと思ってしまう。でも、この小説では好きなら怒って取り返さないのは男じゃないだろ!みたいな感じの表現でした。.......心に響くものがありましたね。

自分は人の心にどのくらい踏み込んでいいのかわからないです。自分に踏み込まれたなら、その程度の関係まで踏み込む、もしくは、もっと深い付き合いまですることがあるのですが、自分からだと臆病で一歩前の関係まで持っていけないことがよくあります。これは異性だけじゃなくて、同性でもそうです。

 

でも、実際は自分から踏み出さないと何も変わらない。

 

このことは大学の時にやっと気づきました。気づいたからといって、実践できるかは別問題ですけどね。最近は、自分から人に踏み込むというか、自分の意識させずに踏み込ませられる部分を広げるようにしています。よくわからないかもですけど。自分から懐を広げるような、そんなイメージ。

 

あっ、ナツイロは別に暗い話じゃなくて、最後はちゃんと暗いものを残さず読み切れて、明日からがんばろうって思える小説です。僕も作詞しようかな(笑)。

ぜひ、こんなブログ観てないで読んでみてくださいね。

 

ナツイロ (集英社文庫)

ナツイロ (集英社文庫)